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実用性とスポーツ性能を高い次元で両立するスポーツセダンは、今でもファンが多い人気ジャンルだ。最近はハイパフォーマンスを謳うスポーツSUVというジャンルも確立してきたが、走りのクルマは背が低いにかぎる。重心高もそうだし、なによりセダンはカッコいいからだ。
スポーツカーに近い運動性能や動力性能を持ちながら、セダン形状のクルマをスポーツセダンと呼ぶ。しかし、厳密な線引きはなく、スポーティな走りのセダンを総称することが多い。とはいえ、人気のあるスポーツセダンは特有のグレード名が与えられることが多い。例えば、「AMG」や「M」などはその代表例。国産車にもこのようなモデルが存在するが、ここ最近はセダン市場が下火ということもあり、絶滅危惧種になっている。スポーツセダンに乗るなら、中古車市場を探ることは不可避といえよう。
ホンダ アコードがベースのスポーツモデルが「ユーロR」。ホンダといえばシビックやインテグラに設定される「タイプR」が有名だが、アコードには大人の走りを体現した「ユーロR」というネーミングが与えられている。2000年、6代目アコードに設定されたのが最初のモデル(CL1型)。なお、これと同時に姉妹車であるトルネオにも「ユーロR」が設定された。2002年には7代目アコード(CL7型)にも継続投入されている。CL1では220馬力の2.2L 直4+5速MTが搭載されたが、CL7は同じく220馬力だが2.0L 直4+6速MTが与えられている。
トヨタのミドルクラスセダンがマークX。2009年に登場した2代目をベースに、GAZOO Racingが手がけたコンプリートカーが「GRMN」である。このGRMNは2回に分けて限定販売され、最初に登場したのは2015年。パワートレインは、3.5L V6を搭載し、321馬力を発揮。これに6速MTを組み合わせ、硬派なスポーツセダンに仕上げられた。2019年発売時には改良を受け、リアディファレンシャルギア比などが変更され、エンジン出力も調整されて318馬力となった。しかし、ボディ剛性の向上などで走りのポテンシャルは大きく引き上げられている。2015年発売モデルは100台限定(新車価格540万円)、2019年発売モデルは350台限定(513万円)と、非常に希少な存在。
2000年~2010年代は、隠れた人気のスポーツセダンが多い時代だった。現在はセダンそのものが少なくなっているため、コンディションと価格のバランスにすぐれたこの時代のモデルをねらうのは賢い選択といえる。性能、デザインは各メーカーで個性があるので、好みのモデルを掘り出してみるのも楽しいだろう。